「やおきん公認 うまい棒大百科」 うまい棒同盟監修
みなさんは『うまい棒』にまつわる思い出、あったりしますか?
親に貰った10円玉を握り締め、生まれて初めての買い物。青春の味。おふくろの味。人生のどん底に突き落とされたとき――お前は相変わらずいつだって10円だなあ、その裏にどんだけ血と汗の滲むような努力があったんだろうな、それを一切感じさせないお前の笑顔……そんなお前の苦労も知らずに俺ときたら変わっちまったんだな、お前に気づかさせてもらったよ、ありがとう……。
とまあ、色々とある方にはあるのでしょうが、僕は全くないですね。自分のお金で買った記憶すらありません。
なんだか有名実業家と付き合ってる女みたいな言い方になっちゃいましたが、言っても10円ですからね。買いたいけど買えなくて我慢してたなんて有り得ない金額ですからね。……よくよく考えたら10円って凄いなあ、今ドキ10円で買えるのってうまい棒くらいですよね。……うん、まあ、駄菓子屋行ったらいっぱいあるんだろうけどさ、今その話をし始めたらうまい棒の凄さが霞むのでやめておきましょうね。
10円という価格を維持するには、それはそれは陰ながら血と汗の滲むような努力があったのでしょう。作画は変わりつつもそれを全く感じさせないようなうまえもんの笑顔(さらっと流すところでしたが、このマスコットキャラクタの名前を『うまえもん』といいます)は40年近く全く変わりません。
それなのに、僕には思い出が全くないのです。20年近く時代を共にしながら、たまに縁日とかクレーンゲームの景品でもらったりして、それ以上でもそれ以下でもなく、特に意識することなく今日を迎えてしまいました。
でも、この本は何故か手元にあります。相当コアなファンじゃないと持っていないような代物を、何故か、僕が。
読んでみると、これがまたとても深いところまで知ることができて面白いのですよ。元々興味のなかった僕でさえ、後半は興奮しながら読み進めていました。タモリ倶楽部をなんの気なしに見ていたのに気づいたらその分野の虜になっちゃってたときと一緒ですね。
全種類のパッケージに加えて、ほかの企業とのコラボ商品までご丁寧に掲載していただいて、出版する際の権利の問題とか大変だったんじゃないでしょうか。……まあ、うまえもん自体が某国民的キャラクタのパク(ry
最も興味深かったのは、うまい棒トリビア。随所からやおきんの飽くなき企業努力が垣間見えますが、中にはこんなものも。
新製品は定期的に企画されるわけではなく、モヤモヤしてきたら作るらしい。
ここだけなんともアーティスティックで、素敵です。感性は芸術家に近いですね。
そんな話をしていたら、なんだかうまい棒が食べたくなってきた。今度コンビニでも寄ったら、自分のお金で買ってみようか。ごめん、邪道だって言われるかもしれないけど、シュガーラスク味が好き。